こんなことをくそまじめに書くのは僕ぐらいなものだろうと、幽体離脱したかのように、自分を客観的に眺めながら、自分自身に呆れつつ、書いている。

何を書きたいのかというと、それは、肉だ。

肉に対する、ちょっと深い思い。思いやり。愛。

ばかだ。

ともかく始めよう。

「焼く」

僕は決して焼き肉奉行ではないが、焼き肉屋に行って専ら肉を焼くことが多々ある。

それはたぶん、肉を焼くのが上手だからだ。

で、聞かれる。「美味しく肉を焼く秘訣って何?」

僕に答えはこうだ。

「それはね、肉の気持ちになって焼くことだよ。裏返すのは1回。目と耳で肉と対話してると、肉の気持ちが伝わってくる。そろそろ裏返して! と言ってくる。その時に裏返す。これが肉を美味しく焼く秘訣。」

美味しさは焼き方できまる。火が通りすぎても、生すぎてもダメだ。肉の種類によって異なるが、その肉が伝えてくる絶妙のタイミングで裏返し、全体に火を入れる。これだ。

「切る」

これはステーキの場合だ。

僕の適量は450グラム。これくらいないと、美味しくいただくために適切な厚さが確保できない。

これを、上記の通り焼き上げると、大変美味しいステーキになる。

さて、問題は、あなたが「美味しい」と感じるまでに、もう1ステップ必要であることだ。それは、切ってに運ぶこと。

「切る」のは簡単だ。フォークとナイフは今時誰でも使える。

しかし、左手に持ったフォークで肉の左端部分を刺し、グッと押さえると、美味しい肉汁がじゅわーっとしみ出してしまうことがある。さらに、フォークで刺した部分の右側に右手で持ったナイフを入れると、やはり肉汁が出てしまうことがある。

肉汁が出ては美味しさ半減。

では、何が大切かというと、それは、できるだけ先の尖ったフォークと、切れ味の良いナイフを使うことだ。

因みに、フォークやナイフなどを一般にカトラリーと呼ぶが、食べることが好きだと、やはり尖り具合とか、切れ味とか、触感とか、あるいは美しさとか、カトラリーの色んな要素が気になるものだ。

肉に関しては、フランスのラギオールなんか最高だ。僕のワインオープナーも赤い木の柄のラギオールだ。無骨だが機能性抜群。

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美しさで選べば、デンマークのジョージ・ジェンセンのカトラリーは美しい。残念ながら廃盤になってしまったが、このチーズナイフなどはオーラさえ感じる。

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と、食べるのが好きだと、料理そのものだけでなく、それを乗せるもの、切るものすくうものなど、付随したいろんなものが気になってくるものだ。

そういったものを駆使して、いかに「美味しい」という体験を最大化できるか。こんなことを、くそまじめに考えるのが、食いしん坊の性だ。ばかなのである。